STATSPACKの活用方法
Oracleが提供する内部統計情報の取得・出力ツールです。パフォーマンス・チューニングをする上で最も強力なツールです。実行計画やV$(動的パフォーマンスビュー)等と合わせて活用することで、より有効に活用することができます
STATSPACKとは
STATSPACKとは、データベース統計全体を長期間にわたって取得できるツールです。アプリケーションの特定の処理期間の中で、時間を遡ってデータベース動作の分析ができるという特徴があります
この時間指向の性質を活用することにより、以下のような場面に活用できます
・データベースのチューニング
・傾向分析
・パフォーマンス問題の事後分析
・リソース計画の立案
・予測モデルの作成
STATSPACKは指示した2時点間の内部統計データの差分を取得し、レポート出力します
STATSPACKは性能障害が発生している箇所が分かっている場合は有効ですが、性能障害を見つけ出すための監視ツールとしては不向きです
STATSPACKの取得レベル
STATSPACKには取得レベルがあります。STATSPACKは取得レベルによって、得られる情報が違います。パラメータを変更することで、スナップショットが取得する情報を変更することができます
STATSPACKの取得レベルの変更方法は以下の通りです
【STATSPACKのレポート構成項目と内容】
1.Database:データベースに関する情報
2.Host Memory:ホストコンピュータのメモリに関する情報
3.Snapshot:スナップショット取得に関する情報
4.Cache Sizes:データベースバッファキャッシュに関する情報
5.Load Profile:レポート取得期間中の1秒あたり(Per Second)とトランザクションあたり(Per Transaction)の統計情報。システムの特性・傾向を見ることができる
6.Instance Efficiency Indicators:インスタンス効率の指標。100% に近いほど良い。目標値(別紙参照)
7.Top 5 Timed Events:総待ち時間(Wait Time)の長い待機イベントトップ5の情報
8.Host CPU:ホストコンピュータのCPUに関する情報
9.Instance CPU:データベースのCPUに関する情報
10.Memory Statistics:メモリに関する情報
11.Time Model System Stats:データベースのCPUに関する詳細情報
12.Foreground Wait Events:Foregroundの待機イベントに関する情報
13.Background Wait Events:Backgroundの待機イベントに関する情報
14.Wait Events (fg and bg):Foreground及びBackgroundの待機イベントに関する情報
15.SQL ordered by CPU:SQLに関する情報(CPU負荷の高い順)
16.SQL ordered by Elapsed:SQLに関する情報(Elapse Timeの長い順)
17.SQL ordered by Gets:SQLに関する情報(バッファ読込の多い順)
18.SQL ordered by Reads:SQLに関する情報(DISK読込の多い順)
19.SQL ordered by Executions:SQLに関する情報(実行回数の多い順)
20.SQL ordered by Parse Calls:SQLに関する情報(解析回数の多い順)
21.Instance Activity Stats:インスタンスの稼働に関する情報
22.OS Statistics:OSに関する情報
23.IO Stat by Function:機能ごとのI/Oに関する情報
24.Tablespace IO Stats:表領域のI/Oに関する情報
25.File IO Stats:ファイルI/Oに関する情報
26.File Read Histogram Stats:ファイル読込に関する情報
27.Instance Recovery Stats:インスタンスのリカバリーに関する情報
28.Memory Dynamic Components:メモリ割り当てに関する情報
29.Buffer Pool Advisory:バッファキャッシュの見積に関する情報
30.Buffer Pool Statistics:バッファキャッシュに関する情報
31.Buffer wait Statistics:バッファキャッシュの待機に関する情報
32.PGA Aggr Target Stats:PGA集計ターゲット統計(PGA Aggregate Target Statistics)に関する情報
33.PGA Aggr Target Histogram:Optimal Executions are purely in-memory operations
34.PGA Memory Advisory:PGAメモリの見積に関する情報
35.Process Memory Summary Stats:プロセスメモリのサマリ情報
36.Top Process Memory (by component):各プロセスが占有している共有メモリに関する情報
37.Enqueue activity:待ち行列に関する情報
38.Undo Segment Summary:UNDOセグメントのサマリ情報
39.Undo Segment Stat:UNDOセグメントの状況に関する情報
40.Latch Activity:ラッチの稼働状況に関する情報
41.Latch Sleep breakdown:ラッチ非稼働に関する情報
42.Latch Miss Sources:ラッチ未取得に関する情報
43.Parent Latch Statistics:親ラッチに関する情報
44.Child Latch Statistics:子ラッチに関する情報
45.Mutex Sleep:ミューテックスの非稼働に関する情報
46.Segments by Logical Reads:セグメントの論理読込に関する情報
47.Segments by Physical Reads:セグメントの物理読込に関する情報
48.Segments by Row Lock Waits:セグメントの行ロックに関する情報
49.Segments by Buffer Busy Waits:セグメントのバッファ競合に関する情報
50.Dictionary Cache Stats:ディクショナリキャッシュに関する情報
51.Library Cache Activity:ライブラリキャッシュの稼働状況
52.Rule Sets:Oracle Streamsクライアントの動作ルールに関する情報
53.Streams Pool Advisory:ストリーム・プールサイズの見積に関する情報(連続したデータのやり取り領域)
54.Shared Pool Advisory:共有プールサイズの見積に関する情報
55.SGA Target Advisory:SGAターゲットサイッズの見積に関する情報
56.SGA Memory Summary:SGAメモリ統計情報
57.SGA breakdown difference:SGAメモリの各領域の詳細情報
58.SQL Memory Statistics:CURSORのメモリ使用に関する情報
59.init.ora Parameters:初期パラメータに関する情報
5 thoughts on “STATSPACK”-
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