ラポール(信頼関係の構築)
ラポールとは
ラポールとはフランス語で「架け橋」という意味です。コミュニケーションする相手との信頼関係の状態を表します。
あくまで信頼関係の状態を表しますので、状態は変化する、させることが可能である、ということです。
よく信頼関係がないので、コミュニケーションが良くならないという話を聞きます。
信頼がない状態だと理解すると、信頼を得るために何をすれば良いのか、と考えるべきです。
ラポールの段階
ラポールには以下の段階があります
・警戒:コミュニケーションを受け入れない状態
・疑心:コミュニケーションはしているが、疑った状態
・親和:共通点など親しみを感じている状態
・信用:外部の情報(紹介された、職業、知名度など)により疑いがない状態
・信頼:心を開いた状態
スキルによってこの信頼関係の状態を変化させ、信頼関係を構築することができます。
警戒されている状態では、どんなにコミュニケーションが上手い人でも、話も聞いてもらえません。
まずは、警戒心を解くことから始めます。
プレゼンテーションで言うところの「つかみ」、落語で言うところの「まくら」になります。
もちろん、初対面の方とのコミュニケーションも同じです。
ラポールのスキルレベル
ラポールのスキルにはレベルがあり、高度になればより強固な信頼関係の構築が可能です。
レベル1:身体的マッチング/ミラーリング
レベル2:サウンドへのマッチング
レベル3:言語へのマッチング
レベル4:価値感へのマッチング
レベル5:信念・自己認識へのマッチング
レベル1の身体的マッチングとは、相手の動作を真似るということです。
これは、相手の警戒心を解くために、私はあなたの味方ですという信号を無意識に訴えかける効果があります。
もちろん、不自然なマッチングは逆効果です。
最初は相手がうなずいたら、自分もうなずくなど、自然な形でマッチングしましょう。
そして徐々に、サウンド(声)のトーン(音の大きさ)や話す速さなどを合わせていきます
プレゼンテーションでは、標準的なトーン(声の大きさ)や、ゆったりとした話し方が良いでしょう。
言語へのマッチングは、相手の使う言葉をそのまま復唱することで、相手は自分を肯定してくれていると思うようになります。親和から信用への段階になります。
その後、相手の大切にしている価値観を共有し、信用を確固たるものにします
最後に、相手に信念や自己認識レベルの共有ですが、考え方に対する共感ですので、実際は難しいです。
これを突破できれば信頼関係が生まれるということになります。
まずは、ラポールのスキルレベルの3を目指し、だれとでも親和の状態を作り出すことができれば理想的です。
プレゼンテーションは1対多のコミュニケーションですが、顧客との信頼関係が重要であることに変わりありません。
プレゼンテーションのうまい人は、顧客の心をつかみ、信頼関係を築くのがうまいのです。
その基本スキルがラポールです。