フェイス・ポップコーンの16の文化トレンド
市場調査の参考として以下の文化トレンドが興味深い。
1.アンカーリング
現代のライフスタイルのよりどころとするために、昔の生活習慣を取り入れる傾向のこと。アロマテラピー、瞑想、ヨガ、東洋宗教など。
2.ビーイング・アライブ(元気に生きる)
より長く、より楽しく人生を送りたいという傾向。菜食主義、生薬、瞑想などの寿命を伸ばしたり健康を増進するものがこのトレンド。
3.都会からの脱出
よりシンプルで慌しくないライフスタイルへの願望。仕事を辞めて片田舎に引きこもってしまうこと。
4. 集団への帰属
混沌とした世界に立ち向かうために寄り集まり、集団に帰属したいというニーズの高まり。ハーレー・ダビットソンのオーナーズ・グループなど。
5. コクーニング(自閉)
外に出て行くことが過酷で恐ろしいと感じ、家の中に引きこもりたいと思う衝動。自分の家庭を繭のように巣に変えてします。
6. ダウン・エイジング(若返り)
年配の人が実際の年齢より自分は若いと思い、そのように振舞う傾向。若者と同じような服を着て髪を染める。若者のおもちゃを買うなど。
7. オゴノミクス(自尊心経済)
所有物と体験によって個性的になりたいという願望。マーケターにとっては、カスタマイズした商品・サービスなどを提供して成功するチャンスである。
8. ファンタジー・アドベンチャー
退屈な毎日から気持ちの上だけでも逃れたいという願望。サファリ旅行をしたり、異国情緒を感じられる料理を食べたりする。
9. 女性の思考
男性と女性の思考と行動は異なっているという認識。女性を動かす大きな要因は他人との絆であり、GMの強いリレーションシップは女性が担い手など。
10.イコン・トップリング(倒れた偶像)
「大きいことは悪いことだ」という考え。マーケターは小さく考え、小さく行動し、小さく見せる方法を探し出してこれに対応している。
11.男らしさからの開放
ステレオタイプな役割からの男性の解放。男性はもはや逞しく、無口で、強いものだと思われる必要がなくなっている。
12.99ライブス(慌しい生活)
同時にたくさんの事をすることで、時間のプレッシャーから逃れようとする試み。インターネットをしながら携帯電話で話をするようなこと。
13.快楽の復讐
自己抑制と自己喪失に対する反抗としての公然かつ堂々とした快楽の追求。健康食品に背を向け、赤身の肉、脂肪、砂糖などを以前より消費するなど。
14.SOS(社会を救え)
教育、倫理、健康といった問題に対し、社会にもっと責任を持たせたいという願望。企業に社会的なマーケティングに取り組むように要請すること。
15.小さな喜び
元気になるため、ささやかな贅沢を時々すること。昼食は手作り弁当であるが、朝食はスターバックスで値段の張る飲み物とタペストリーを買うなど。
16.自警団的消費
粗悪な製品やいい加減なサービスに我慢しない消費者。抗議行動を起こし、ボイコット運動をし、手紙を書き、エコ製品を買うなど。
「フィリップ・コトラー著:コトラーのマーケティング・マネージメント ミレニアム版(2001)より」
皆さんも心当りありませんか?
市場を分析する人たちはこういうのを参考に商品開発しているのかと思うと、商品を買ったり、サービスを受けたりする時、ついついどのトレンドを参考にしてるのかなあと気になります。
でも、そういうことを気にすることは決して悪いことではないと思います。考えながら商品を選んだり、サービスを受けるのも面白いですし、自分の価値観を探る1つの方法かも知れません。