ORACLEのバージョンに関する解説
ORACLEの歴史と言って良いでしょう。ORACLEの歴史は正にRDBMSの歴史、SQLの歴史と言っても過言ではありません。歴史を知る意味は、現在の位置を確認し、将来を予測するためです。過去の歴史を知ることで見えてくるものがあると思います。
1977年
Oracle社の全身である、Software Development Laboratories (SDL) が設立されました。
1979年
SDLは、社名を Relational Software, Inc (RSI) に変更し、この時、商用リレーショナルデータベースとして、Oracle 2を発表しました。この時、基本的なデータベース言語であるSQLを使用することができました。なぜOracle2かというと、あたかもOracle1があり、製品としてバージョンアップされた製品ですよ、というマーケティング戦略の一環といわれています。
1983年
この時、社名をOracle Corporationに変更しました。同時に、Oracle version 3がリリースされるが、コミットやロールバックといったトランザクションの概念をサポートしたものであった。このバージョンでは、使用可能なプラットフォームをUNIXまで拡張している。
1984年
リリースされた Oracle 4は読み取り一貫性をサポートした。
1985年
この頃主流となりつつあったクライアントサーバ型コンピューティングへのサポートが開始されました。
1988年
PL/SQLや行レベルロックなどをサポートした、Oracle 6.0がリリースされました。このバージョンからリレーショナルデータベースの基本的な機能が揃い、普及し始めることになります。また、RACの前身であるパラレルサーバがサポートされたが、正式なRACの普及はもう少し先になります。さらに、Oracleはデータベースの強みを活かしERP市場へ参加します。
1992年
Oracle7がリリースされました。このバージョンにおいて、パラレルクエリー(1つのSQL文を複数のプロセスにて同時に処理する)、整合性制約(条件を満たさないデータは入れることが出来ない)、
ストアドプロシージャ(Oracle データベースに格納(ストアド)されたプロシージャやファンクションのこと)、データベーストリガ(1つの処理と連動(トリガーとなって)して別の処理が起動する機能)、データベースリンク(自身のデータベースにあたかも存在するかのようにテーブルを使用する機能)、レプリケーション(レプリカ・複製データベースを作成する)
などがサポートされました。最終バージョンは7.3.4です。
1997年
オブジェクト指向やマルチメディアに対応したOracle8 8.0がリリースされました。このバージョンにおいて、パーティショニング(表、索引などをより細かい単位に細分化し、処理効率向上を図る)、新しいカラム型LOB (BLOB(バイナリデータ)型,CLOB(文字データ)型)がサポートされました。このバージョンから大規模データの取り扱いをサポートするようになりました。
1999年
インターネット時代の到来により、Oracle8i (R8.1.5 ~) をリリースしました。このバージョンでは、UNIX/LinuxプラットフォームでのインストーラのGUI化や、データベースエンジンにJava仮想マシンを組み込みました。(i は Internet の意味とされています。)。最終バージョンは8.1.7です。
2001年
XMLの入出力などOracle9i Databaseをリリースしました。このバージョンでOracleRAC (Real Application Clusters) がリリースされました。データベースの可用性と信頼性を向上させることで、製品のブランド力を向上させました。最終バージョンは9.2.0.8です。
2003年
グリッド・コンピューティングを目指し、グリッド技術を応用したOracle Database 10gがリリースされました。(g は Grid の意味とされている。)従来のデータ入出力ユーティリティであるEXPORT/IMPORTの機能UPしたDATAPUMPがリリースされました。
2006年
無償版ExpressEditionがリリースされました。
2007年
Oracle Database 11gがリリースされました。よりSQL実行効率を意識したSPMがサポートされました。
2011年
無償版のOracleXEもOracle Database 11gバージョンでリリースされました。
2013年
マルチテナントデータベース製品であるOracle Database 12cがリリースされました。(c は Cloud(クラウド) の略とされています。)