移行設計(Migration Design)に関する解説
システム再構築等プログラム移行と同時にデータを移行する必要があります。システムが大規模になればなるほど複雑・煩雑になります。本番運用まではシステム開発の範疇にあります。移行作業は最後の段階となるため、作業が遅れがちになります。結局準備不足となりトラブルの原因となることが多くなります。最終段階で準備するのではなく、早い段階で設計(計画)することが必要です
移行設計(Migration Design)とは
移行設計(Migration Design)は移行計画(Migration Planning)とも言います。移行設計(Migration Design)は何を設計するのでしょうか?
データ移行作業は移行対象範囲の移行データを新システムの各テーブルにデータを移行することです。そのために移行範囲を明確にし、データ量を見積り、移行方法、移行ツールを決定し、問題ないことを確認(リハーサル)しておく必要があります。これらを準備、計画することが移行設計(Migration Design)です
移行設計の流れ
移行設計の流れは以下のようになります
1.移行対象範囲の明確化(移行データ洗い出し)
・移行対象データの範囲(アプリケーション、マスタ、トラン、移行対象(過去)データの期間)
・データ形式(Oracle形式、テキスト形式、CSV形式、XML形式など)
・不備データの取り扱い(データクリーニング方法)
・移行媒体(紙、記憶媒体(CD,USB・・)、ネットワーク経由)(注)外部インタフェース(API)の整理
2.移行データ量見積
・移行作業時間内に移行可能なデータ量か
・過去データは必要か、どこまで必要か
3.移行方法の検討
・手入力(少量データ移行時などはこれで十分、りっぱな移行方法です。)
・独自プログラムの開発
・ツールの利用
4.移行ツールの選定
・データ互換性の考慮(EXPORT/IMPORT、SQLLOADERなど)
・バージョン間の機能差異の考慮
5.リカバリー方法の検討
・リカバリー判断基準(障害内容によっては、移行作業を続行し、移行後データリカバリーなども有り得る)
・その他のリカバリー方法の検討
6.移行計画策定
・移行範囲、データ量見積、作業量見積、移行方法、移行ツール、リカバリー方法などを整理
・移行準備作業の策定
・移行作業体制案の策定
・移行スケジュールの策定
7.移行リハーサル
・環境など準備作業も含めての検証
・本番並みの検証が可能か、できないとするとどのように検証するか
・リカバリーの検証(関係者への連絡網の検証も含む)
8.移行データの授受
・データの受取方法(伝送、物理的輸送)
・物理媒体(テープ、CD、USB)の取り扱い
これらをまとめたものが移行設計書(移行計画書)になります
データ移行作業のイメージ図
移行は旧システム(移行元)の状況と新システム(移行先)の状況により様々です。状況により最適な移行方法を決定することが移行設計(Migration Design)です。参考までにデータ移行作業のイメージ図を示します
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