Instance Efficiency Indicatorsの見方について
Instance Efficiency Indicatorsとは何か、どのように分析すればパフォーマンス改善に有効かを解説します
Instance Efficiency Indicatorsとは
Instance Efficiency IndicatorsはOracleインスタンスの使用効率を確認するためのものです。メモリ(バッファキャッシュ)のヒット使用率やラッチのヒット率など重要な情報が満載です。表示される項目について解説します
Buffer Nowait%
バッファに要求を出したときに即座に実行可能だった割合です。目標値は95%以上です。メモリに対する使用要求に対する実行割合なので、メモリが不足している場合はこの数値が低下し、パフォーマンスに多大な影響を与えます
Redo Nowait%
REDO LOGに要求を出したときに即座に実行可能だった割合です。目標値は95%以上です。この数値の低下はREDO LOGに関する何等かの資源の不足が考えられます。これもパフォーマンスに影響しますので注意が必要です
Buffer Hit%
必要なデータがバッファ上にあった割合です。目標値は90%以上です。Buffer Nowait%と同様、この数値が低下するとパフォーマンスに多大な影響を及ぼします
メモリの中のデータに関する部分であるバッファキャッシュの不足が原因ですので、大量にデータアクセスするSQLが並行している稼働している等が考えられます
Optimal W/A Exec %
ソートがメモリ内で行われた割合です。目標値は90%以上です。ソートには、明示ソート(明示的にORDER BY句で指定している)と暗示ソート(DISTINCTやJOIN等データをソートして処理するもの)がりますので、この数値が低下した場合、明示ソート以外の部分も注視する必要があります。また、メモリ内のソート領域は不足するとディスクを使用してソートすることになりますので、物理的I/Oが発生しパフォーマンスに甚大な影響を与えることになります
Library Hit%
必要なSQL、PL/SQLがライブラリ・キャッシュ上にあった割合です。目標値は95%以上です。この数値の低下はSQLのハードパース(物理的解析処理)が発生します。データバッファキャッシュ不足程ではないにしろパフォーマンスに影響を与えます
Soft Parse%
全ての解析のうち再利用可能なものの割合です。目標値は90%以上です。ハードパースの結果がメモリに残っている状態ですので、この数値が高ければハードパースが起こらないことを意味しますので、パフォーマンス上好ましい状態です
Execute to Parse%
SQL実行に対し解析が行われなかった割合です。目標値はありません
Latch Hit%
全てのラッチのヒット率です。目標値は98%以上です。Latch(ラッチ)とはOracleのメモリ管理機構で、下位レベルの内部ロック機構のことです。この数値が低下するということは、Latch(ラッチ)競合が発生していることであり、使用するデータが集中したり(ホットブロック)、大量のデータを大量の利用者が同時にアクセスしている可能性があります。Latch(ラッチ)競合と使用オブジェクト(テーブルやインデックス)を分析する必要があります
Parse CPU to Parse Elapsed%
解析CPU時間/解析の合計時間です。目標値はありません
%non-parse CPU
解析以外で使用されたCPU時間の割合です。目標値は80%以上です
Memory Usage %
使用された共有プールの割合です。この値が低い場合は共有プールが不足している可能性があります
% SQL with executions>1
再利用されたSQL文の割合です。この値が低い場合は共有プールが不足している可能性があります
% Memory for SQL w/exec>1
2回以上実行されたSQL文が使用したメモリの割合です。この値が低い場合は共有プールが不足している可能性があります
STATSPACKの参考例
実際のSTATSPACKを出力した場合の参考例です
One thought on “Instance Efficiency Indicatorsの見方”-
ピンバック: STATSPACK – データベース研究室
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