基本設計の解説
基本設計(baseline-design)とは、システム構成を決定することです。システムの品質は設計で決まると言っても過言ではありません。データベースの論理設計やシステム構成でコンピュータ資源の配分を誤るとシステムは稼働しない場合があります。
現在は、CPUやメモリも安価になってきたので、昔ほど神経質にならなくてもいいかもしれません。しかし、このフェーズをしっかりやらないと、後々苦労することになります。チューニングはすでに設計の段階で始まっていることを忘れてはなりません。
現状分析
現在は、システムがまったくない会社というのはほとんどありませんので、まずは既存システムの状況を分析します。さらに、システムを実現する上での制約事項を抽出します。例えば、データベースでいうと、過去データの参照やデータの保存期間、バッチ処理時間、バックアップ時間など。非機能要件である品質要件であるレスポンス時間などもそうです。
費用とのトレードオフ
制約条件がある場合、制約の実現は費用とのトレードオフの関係にあります。要件定義では見えていなかった部分が顕在化するケースも多いです。再見積ができればいいですが、できない場合は機能面での調整を計ります。
構成の決定
要件定義及び制約上から、ハードウェア構成、ソフトウェア構成、ネットワーク構成などを決定します。
ハードウェア構成
CPU処理能力、コア数、CPU数、メモリ容量、ディスク容量を決定します。ディスクについてはRAID構成も決定する必要があります。
ソフトウェア構成
OS、ミドルウェア、開発言語、開発ツールなどを決定します。バージョンの確認が必要です。
ネットワーク構成
トラフィック量の分析から、ネットワーク容量を決定します。LAN、WAN、VPNなど様々の利用形態によって変わります。サーバの設置場所がオンプレミス型かクラウド型によっても変わります。